独自の超硬金型「Tokyo-ACE」

水没した超硬金型は使用できるか

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10月からのタイの大洪水で現地に工場をお持ちの当社のお客様は被害にあわれました。そのお客様から水没した超硬金型は使用できるのかとご質問をいただきました。以下はあくまで大洪水の状況を正確に把握する事ができないため一般論をもとにした当社の予測です。ご参考になれば幸いです。

1.超硬合金の腐食特性

超硬合金はWCとCoの合金です。材種によってはCrやNiを混ぜているものもあります。
Coはバインダーの役割をしています。

日本タングステン株式会社 ニッタン技報より

「腐食の形態として、鉄鋼材料が大気中の酸素や水と反応して表面に酸化物、水酸化物の反応生成物(赤褐色の錆)を生じるのに対して、超硬合金の腐食は、CoやNiの結合相金属が優先的に溶液中に溶けだしていくような腐食形態をとるので、表面に腐食生成物を生じず一見腐食しているようには観察されないが、内部の結合相金属の溶出により大きく強度低下を起こし、安定した摺動特性が得られないことが生じる(下左図)。

一般にNi結合相超硬合金が耐食性超硬と呼ばれ、さらにCrを添加した合金が強固な不働態皮膜を形成し優れた耐食性を示す、また炭化物粒度(WC粒径)が小さいほど耐食性に優れる。」

下図は横に材料、縦に腐食割合で浸漬腐食試験結果を示したもの

超硬合金の腐食特性

2.超硬の種類による腐食の変化

今回、超硬G2~G8程度の腐食量について調査しました。

下の表は超硬の材種毎の諸特性を示した図になります。
表をみると分かりますように超硬の材種によってCoの結合相量が異なります。

超硬の種類による腐食の変化

結合相量と腐食減量との関係(10%NHO3(25℃24Hr)の例

結合相量と腐食減量との関係

結合相量の増加に伴い、腐食減量が増加する。また、腐食減量は組成の影響を強く受ける。結合相をCoからNiに置換し、さらにCrを添加したWC-Ni-Cr合金は、WC-Co合金に比べて非常に優れた耐腐食性を示している。

図表 イゲタロイ 塑性加工用工具イゲタロイ材料特性より

腐食減量とは

腐食試験後、表面に付着した腐食生成物を取り除いた試験片の質量減、又は単位表面積当たりで表した値。Hr=時間

つまり、1平方メートルから1時間で溶け出す量。
(10%NHO3=硝酸{25℃24Hr}試験下の場合)

3.結論

2.のグラフから推測出来る事は、冷間圧造金型のベースとなっているG5~G8の金型は結合相量が12%以上と多くG7.G8においては55?70(g/m2*hr)程度腐食が起きていると考えられます。

また、タイでは下水道設備が発達していないため、生活排水が簡単な処理のまま、河川に放出されるケースがあります。よって、日本に比べ溶け込んでいるイオンも日本の2?3倍はあるとのことです。

超硬合金は、中性・酸性溶液中でCoが溶出し、アルカリ溶液中でWCの溶出が現れます。
更に、酸性溶液ではCo溶出が顕著であります。

以上の点を踏まえると、CoもしくはWCは溶液中で溶出がおこります。
そのため、G5~G8の超硬はCo結合相量が多いので長期間の水没によって少なからず溶出され摺動特性に影響がおきており、金型としての使用は極めて難しいと考えられます。

【参考資料】

日本タングステン株式会社
LinkIconニッタン技報

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